不良狼は一途に溺愛中
一応、ノックをしてから中に入る。
柚はテーブルに教科書やノートを広げて、懸命に勉強していた。
「柚、ジュース持って来たから、ここに置いとく。」
コトンとテーブルに置くと、黙々と勉強をしていた柚が俺を見上げた。
「ありがとう、蓮…。もう少しで一区切りつくから、そうしたら飲むね…!」
ニコッと笑う姿に鼓動が高鳴る。
思わず抱きしめたくなる衝動にかられたが、何とか堪えた。
「俺、自分の部屋に居るから、何かあったら遠慮なく言え。」
「うん…!」
足早に自分の部屋にやって来ると、机に突っ伏した。
あー、拷問だ。
触れたいのに、触れられないなんて。
我慢という名の苦痛に、俺は何度も盛大な溜め息を零した。