不良狼は一途に溺愛中
「じゃあ、頬でいいからキスして?」
「ほ、頬も恥ずかしいよ…。」
「唇よりも?」
うぅ〜と言葉を詰まらせる柚に顔を近付けた。
「唇と頬、キスするなら…どっちの方がいい?」
我ながら意地悪な質問だと思う。
どちらを選んでも、柚はキスすることになるからだ。
「どうする?」
恥ずかしそうに瞳を潤ませる柚。
少し間を置いてから、彼女の小さな唇がゆっくりと開いた。
「……頬にするっ…。」
「んじゃ、頬な。」
小さな声を震わせながら答える柚に微笑んだ。