不良狼は一途に溺愛中
「どうしたんだよ。」
「実は…明日から二週間ぐらいアルバイトをする予定になっていて……」
「はあっ!?」
俺の大きな声が教室内に響く。
クラスの生徒の視線が俺たちの方に注がれた。
「れ、蓮ってば…声が大きすぎるよ…。」
恥ずかしそうに周りをキョロキョロと見ている柚。
周りの視線が気になるようだけど、俺は…そんなことよりバイトのことが気になって仕方ない。
すかさず、彼女に訊ねた。
「バイトって何?どこでやるわけ?っていうか、なんでバイトのこと、俺に言わなかったんだよ。」
ググッと眉間にシワを寄せながら柚に詰め寄る。
なるべく彼女と接する時は穏やかでいたいが、今はそんな余裕がない。
イラつく俺に柚はビクッと肩を震わせた。