不良狼は一途に溺愛中
「沙織の知り合いの人が経営してるお店でね、私も何度か行ったことあるんだ…。すごく人気のあるお店なんだよ!」
ってことは、客がたくさん来るじゃねぇか!!
そんなところに柚を行かせるわけにはいかねぇ。
俺は柚の手を強く握った。
「柚、そのバイト…断れ。」
「えっ?」
「そんなバイトさせられない。禁止だ禁止。すぐに断れ。」
「えぇっ、どうして!?別に危険なバイトじゃないし、心配するような要素は何もないよ?」
「いや、大いにある。」
それに、ある意味…危険だ。
店には男だって来るだろう。
接客をするバイトってことは、柚に話し掛けてくる男がいるかもしれない。
好意を抱くヤツが出てくる可能性だってある。
そんな危ない場所に行かせるのは、絶対に嫌だ。