不良狼は一途に溺愛中
「ほ、本当に大丈夫だよ?アルバイトするのは初めてだけど、上手く接客出来るように頑張るから。」
いやいや、そういう心配をしてるわけじゃねぇんだよ…。
気合いを入れる柚の表情を見て、苦笑いしてしまった。
「とにかく、バイトはダメだ。」
「えっ、でも……」
言葉を続けようとする柚を、ギュッと抱きしめた。
「やっ…!蓮…ここ教室だよ!?」
慌てて体を捩って俺から離れようとする柚を、逃がさないようにシッカリと腕の中に閉じ込めた。
「頼むからバイトはやめてくれ。気が気じゃねぇから。」
「そんなに気にしなくてもいいのに…。そっ、それより…離して?みんな見てるよ…。」
確かに、クラスの奴らの視線は俺たちに集中的に注がれている
少し恥ずかしさもあるが、そんなこと気にしている場合じゃない。
今は、柚のバイトをやめさせることが先決だ。