不良狼は一途に溺愛中
「そ、それが何よりだ。」
ふう…。
これで一件落着だな。
ホッとしながら、抱き締めている腕の力を緩めた時だった。
「で、でも……日曜日だけはアルバイトに行ってもいい?」
その言葉に体がピクリと反応する。
心臓がドクンと嫌な音をたてて鳴った。
「ちょっと待て!今、バイトは断るって言ったばかりだろ?」
「う、うん…。そうなんだけど、日曜日は…どうしても人手が足りないみたいなの…。他の日はアルバイトに行くのやめるから、日曜日だけは行かせて?」
「だけど…」
「お、お願い…。」
俺の目を見つめる柚に、言葉が直ぐに出てこなかった。
この態勢だから、俺に視線を向けるとなると、自然に上目遣いになる。
柚の綺麗な瞳は少し潤んでいて、微かに揺れていた。
反則だ…。
そんな表情でお願いされたら、ダメとは言えねぇじゃねぇか…。