不良狼は一途に溺愛中

そして、迎えたバイト当日。


普段の休日よりも、かなり早起きしてしまった俺。


朝っぱらから盛大に溜め息を零した。


とうとう、この日が来ちまったな…。


柚のお願いに譲歩した形になってしまったけれど、やはり断固反対すれば良かったな…と後悔してしまう。


一日だけのバイトに、こんなにソワソワして落ち着かないとは…。


苦笑いしながら携帯を手にとった。


今日は、バイトが終わったら迎えに行くことになっている。


柚は、“家まで一人で帰れるから大丈夫だよ”と言っていたが、そこは強引に押し通した。


一人で帰るなんて危険すぎる。


帰り道で、変な男に声でも掛けられたらどうするんだ…。


本当に無防備だよな、柚は。



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