不良狼は一途に溺愛中
「……お弁当、蓮君の分も作ってきたから、早く食べて欲しいのに…」
「えっ…」
「蓮君に食べてもらえると思って、お昼休み…楽しみにしてたんだけどな…。」
「……………。」
マジかよ、それ。
俺は言葉を詰まらせてしまった。
付き合い始めてから、柚はちょくちょく手作りのマフィンを持って来てくれる。
手作り弁当も、休日にデートする時とかに作って来てくれたりしたことが度々あった。
でも、弁当を学校に持って来てくれるのは初めてだ。
「今日は…早く目が覚めたから、二人分…頑張って作ってみたんだ…。」
そう言って、持ってきていたトートバッグから大きさの違う弁当箱を二つ出して机に置いた。
「こっちの大きいお弁当箱が蓮君のだからね…!た、たくさん食べてもらえると嬉しいんだけど…。」
はにかむ柚に、自分の頬が緩んでいくのを感じた。