不良狼は一途に溺愛中
「ふーん、ここか。」
陸都に案内させながら、店にたどり着いた俺。
周りに視線を向けると、他にも色んな店が道沿いにひしめいていた。
駅前から少し離れた場所だけど、たくさんの人が行き交っている。
男も……かなり多い。
柚のバイトを許可する前に、調べておけば良かったな…。
そうすれば、迷わず“ダメだ”と言い切ったのに。
後悔の波が押し寄せた。
「よし、入るぞ。」
「あっ!ちょっと待てよ、蓮!」
早速…店内に入ろうとしたけれど、陸都に止められた。
「な、なんだよ。」
「蓮が中に入ったら、店内が大騒ぎになるって!たちまち女子に囲まれるぞ?」
「サングラスかけてるし、帽子だって被ってきたんだから平気だろ。」
一応、気付かれないように対策をしてきたつもりだ。