不良狼は一途に溺愛中
「いやいや、蓮の場合…変装していても独特のオーラがあるから、きっとバレると思う。」
……なんなんだよ、そのオーラってのは。
よく分からねぇ。
眉をしかめる俺に、陸都は言葉を続ける。
「とにかく、やめた方がいいよ。誰かにバレて騒ぎになったら、柚ちゃんのバイトに支障をきたすことになるぞ?」
「…………。」
……確かに。
俺は静かに納得してしまった。
柚のことは気になるが、バイトの邪魔はしたくない。
アイツを困らせるのは…嫌だ。
「…そうだな。中に入るのは止める。」
「よく言った、蓮!そこで我慢するのが男だっ!」
肩をポンポンとなだめるように叩く陸都に若干イラつきながら、俺は店の入り口から少し離れた。