不良狼は一途に溺愛中

「あまり目立たないように、ここから偵察しようぜ!」


陸都は俺の腕を引っ張って、店の外に置かれている大きな看板の後ろに連れて行った。


こんなところで、コソコソするなんて…


逆に目立つ気がする…。


周りを見ると、行き交う奴らが、こちらを冷ややかな表情でチラチラと見ながら通り過ぎていくのが目に映った。


なんか、めちゃくちゃ怪しまれてるじゃねぇか…。


これじゃあ、まるで不審者扱いだ。


「おい、陸都…」


ここに隠れていても、そのうち騒ぎになりそうな予感がする…。


そう思った俺は、場所を移動するべく陸都に声を掛けた。


…その時。




「あっ!あれ、柚ちゃんだ…!!」



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