不良狼は一途に溺愛中
えっ、柚!?
彼女の名前に体がビクッと反応した。
「おい!どこにいるんだよ。」
看板の影から店をキョロキョロと見回して柚を探す。
ガラス張りの店だから中の様子はよく見えるが、混雑していて、肝心の柚がどこにいるのか、なかなか分からない。
「ほら、あそこだよ!」
ツンツンと指を差す陸都。
その方向を辿ると、女性客に笑顔を向けている柚の姿が映った。
可愛い…。
思わず、しばらく彼女の姿をジッと見つめてしまった。
「柚ちゃん、順調にやってるみたいだな。」
「ああ。」
今日が初めてのバイトなのに、結構…サマになってる気がする。
男の客も、それほどいないみたいだし、良かった良かった。