不良狼は一途に溺愛中
その後も、柚に近付く客に目を光らせていた俺。
看板の隙間からだけでなく、店の周辺をウロウロしながら、変な男が寄り付かないか見ていた。
おそらく、不審に思った奴は、たくさん居たに違いない。
でも、そんなことに構っていられなかった。
俺って、相当…柚に惚れてるんだな。
こんな風にしてまで、アイツのことを気に掛けるなんて…。
自分の強い気持ちを改めて思い知り、苦笑いしてしまった。
暑さをスッカリ忘れて、バイトの偵察に集中していたけれど…
その慌ただしい時間も、ついに終わりを迎えることになった。