不良狼は一途に溺愛中
「ふぅ…。やっと終わりだ…。」
携帯を開いて時間を確認した俺は、安堵の息を漏らした。
ここまでマジで長かった…。
とてつもない疲労感が押し寄せ、ガクッとうなだれると、隣にいた陸都がポンポンと俺の肩を叩いた。
「蓮、お疲れ!やっと柚ちゃんに会えるな。もう少しの辛抱だぞ!」
陸都はニカッと笑顔を向けた。
コイツ…
ずっと、俺と一緒に偵察してくれたんだよな。
暑いのに、こんなに長時間…俺に無理やり付き合わされて。
疲れたはずなのに、嫌な顔もしなかったし、愚痴も言わなかった。
陸都の優しさに、胸が熱くなる。
「あ、あのさ。陸都…ありがとな。」
俺は、少し照れくさく感じながらも、心からの感謝の気持ちを伝えた。