不良狼は一途に溺愛中

「あ、そうだ…!夕食、どこかで食べていかない?お店も色々とあるし…。」


ね?と柚から笑顔で言われた俺は、辺りをグルリと見回した。


柚と外食もいいけど、俺としては…一刻も早く連れて帰りたい。


さっきから、すれ違う男が柚の方をチラチラ見て行くんだよな。


柚の可愛い表情とか仕草を他の男に見られるのは、かなりイライラする。


俺だけが独り占めしたい。


「柚、外食は…また今度でいいか?俺、早く柚と二人きりになりたいから。」


「えっ?」


パチパチと瞬きをしながら驚いている彼女の手を引いて、足早に歩く。


今後、バイトの話があったら、柚にお願いされても絶対に断ろう…。


そう固く誓いながら、帰る途中…俺は柚の髪や頬に何度もキスを落としていた。



< 74 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop