不良狼は一途に溺愛中
◇泊まりがけの外出
夏休みも後半に突入した、ある日。
柚と一緒に俺の部屋で夏休みの課題に取り組んでいた時だった。
「おっ!柚ちゃん来てたんだね〜!」
堂々とドアを開けて、ズカズカと中に入ってきた兄貴に、俺は思いっきり眉をしかめた。
「おい、なんで勝手に入ってくるんだよ。」
「鍵は掛かってなかったんだし、別にいいだろ?そんなに目くじらたてるなって!」
「あのなぁ、そういう問題じゃねぇんだよ。ったく、何しに来たんだよ。」
柚との時間を邪魔されることほど腹立たしいことは無い。
さっさと帰れ…と言わんばかりの視線を投げつけると、兄貴は柚の方を見てニコリと笑顔を見せた。