不良狼は一途に溺愛中
「蓮、一緒に行こうよ!私、美咲さんに会ってみたいな…。」
えっ、一緒に!?
てっきり、一人で行ってもいいかどうか聞いてくると思っていただけに、ビックリしてしまった。
なるほど、二人で一緒に行く…っていう考えもあったな。
それなら…常に俺が傍に居られるわけだから、安心だし…。
だけど、わざわざ兄貴の家に行くってのも面倒だな…。
心の中で渋っていると、兄貴が俺のすぐ傍にやって来た。
「美咲が、“蓮の将来のお嫁さんに是非会ってみたい”って言ってたぞ?」
将来の…お嫁さん。
小さな声で耳打ちされた兄貴の言葉に、ピクリと肩が跳ねる。
心の中に何やら嬉しい気持ちが込み上げてくるのを感じた。