不良狼は一途に溺愛中
こういう気持ちになるのは、柚だけだ。
他の女が笑顔を振りまいて俺の前に来ても、何とも思わない。
イラッとするぐらいだ。
あからさまに違うんだよな、俺。
フッと笑いながら、弁当を食べ進める。
肉や野菜、ご飯がバランスよく詰め込まれた弁当は、あっという間に完食してしまった。
「蓮君、はやいね…。」
柚は、まだ小さな弁当箱の半分ほどしか食べてない。
俺の食べるスピードに驚いて、何度も瞬きをした。
「美味いから、箸が進んだ。また…作ってくれよ。」
「うん!そうするねっ!」
声を弾ませながら張り切っている柚に、俺は笑顔になりっぱなしだ。
今の俺を、他校の不良連中が見たら…絶対に驚くな。
別人か!?なんて疑いをもたれるかもしれない。
それだけ、俺は柚に惚れてるんだよな。