不良狼は一途に溺愛中

そして土曜日。


兄貴の運転する車に揺られながら、俺と柚は兄貴の家へとやって来た。


一戸建ての新築の家。


何度か来たことはあるけど、最近は全然来てなかったから久々だ。


「美咲、お待ちかねだと思うよ。」


柚の方を見て微笑んだ兄貴は、ガチャッと家のドアを開けた。


「美咲、柚ちゃん…来てくれたよ!」


おい。
柚のことだけかよ。


機嫌の良さそうな兄貴をギロリと睨んだ。


まあ、仕方ないか。


兄貴からすれば、俺は柚のオマケみたいなものなんだろうし。


そんなことを考えていると、美咲さんが足早に玄関までやってきた。



< 80 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop