不良狼は一途に溺愛中
そして土曜日。
兄貴の運転する車に揺られながら、俺と柚は兄貴の家へとやって来た。
一戸建ての新築の家。
何度か来たことはあるけど、最近は全然来てなかったから久々だ。
「美咲、お待ちかねだと思うよ。」
柚の方を見て微笑んだ兄貴は、ガチャッと家のドアを開けた。
「美咲、柚ちゃん…来てくれたよ!」
おい。
柚のことだけかよ。
機嫌の良さそうな兄貴をギロリと睨んだ。
まあ、仕方ないか。
兄貴からすれば、俺は柚のオマケみたいなものなんだろうし。
そんなことを考えていると、美咲さんが足早に玄関までやってきた。