不良狼は一途に溺愛中
「…ごちそうさまでした。」
しばらくして、柚も自分の弁当を完食。
弁当箱をトートバッグの中に片付けると、ゆっくりとお腹を擦った。
「ふぅ〜お腹いっぱい。午後の授業は眠くなっちゃいそう。」
ふぁ…と欠伸をする柚が可愛くて、胸が高鳴る。
いっそのこと、このまま午後の授業はサボりでいいんじゃねぇか?
二人でうたた寝でもして、ここで穏やかに時間を過ごした方がよっぽどいい。
退屈な授業よりも嬉しい。
「なあ、柚。午後は授業に出ないで二人で過ごさねぇか?」
「えっ、ダメだよ!もうすぐ期末試験だってあるんだから、ちゃんと授業に出なくちゃ…!」
柚を誘ってみたけれど、即行…否定の言葉が返ってきた。
なんとなく、そう言うような気はしたけれど、なんか残念な感じだ。
まあ、仕方ないか。
試験が近いのは事実だもんな。
二人でサボるのは諦めよう。
でも、授業が始まるまでは、まだ時間があることだし…。
そう思った俺は、隣に座っている柚をギュッと抱きしめた。