密フェチ†後戯~最上級のフェチ




果てた後---

私達は二本のスプーンのように横向けに重なったまま、つかのま微睡む。



嵐の後の、気だるい静けさ。

高い位置に昇りつめた月が、二人の影をシーツに縫いとめる。



背中に感じる、彼の鼓動。

穏やかな波間に漂うような心地よさ。

私を繋ぎとめるかのように、ウエストに回された彼の腕の重み。

私の肩に顎を乗せた彼の髪が、頬をくすぐる。



眠っているはずの彼の両手が動き出し---

片方は私の胸の膨らみに、もう片方は下に向かって、肌を滑っていく。



ゆっくりと羽根のような軽さで、繰り返し、ただただ撫でられる。



まるでさっきまでの激しい行為を、なだめ、落ち着かせるかのような愛撫---


攻められる快感とは違う気持ち良さが、さざ波のように穏やかに押し寄せてくる。


夢うつつ。


やがて彼が、ゆっくりと掻き分けるようにして

後ろから私のナカに入ってくる。


さっきまで彼を受け入れていたそこは、彼の形を覚えていて、容易く侵入を許してしまう。


それはセックスに似て、セックスに非ず。


私が深い眠りにつくために、ゆりかごを揺らすような儀式。


なによりもこの時を、幸せに思う。




< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop