密フェチ†後戯~最上級のフェチ
果てた後---
私達は二本のスプーンのように横向けに重なったまま、つかのま微睡む。
嵐の後の、気だるい静けさ。
高い位置に昇りつめた月が、二人の影をシーツに縫いとめる。
背中に感じる、彼の鼓動。
穏やかな波間に漂うような心地よさ。
私を繋ぎとめるかのように、ウエストに回された彼の腕の重み。
私の肩に顎を乗せた彼の髪が、頬をくすぐる。
眠っているはずの彼の両手が動き出し---
片方は私の胸の膨らみに、もう片方は下に向かって、肌を滑っていく。
ゆっくりと羽根のような軽さで、繰り返し、ただただ撫でられる。
まるでさっきまでの激しい行為を、なだめ、落ち着かせるかのような愛撫---
攻められる快感とは違う気持ち良さが、さざ波のように穏やかに押し寄せてくる。
夢うつつ。
やがて彼が、ゆっくりと掻き分けるようにして
後ろから私のナカに入ってくる。
さっきまで彼を受け入れていたそこは、彼の形を覚えていて、容易く侵入を許してしまう。
それはセックスに似て、セックスに非ず。
私が深い眠りにつくために、ゆりかごを揺らすような儀式。
なによりもこの時を、幸せに思う。