週末の薬指
ぐずぐず考えていると、やたら明るい弥生ちゃんの声が響いた。
「私、パスタランチ。ホットミルクティーで。夏弥さんは?」
「あー、花緒は何食べてるんだ?」
「私?和風パスタ。きのこがおいしいよ」
夏弥は私の食べかけのお皿を見ると、私が手にしていたフォークをすっと取った。
そして、私のパスタを一口食べると。
「うまいな。じゃ、俺もこれにする。ホットコーヒーで」
手にしていた私のフォークをお皿の上に置くと、私の耳元に口を寄せて
「花緒の作るパスタの方がうまいな」
にやりと笑ってそう言った。
「あ、……そんなこと、ないけど……ありがとう」
夏弥が囁く言葉の甘さと、あまりにも近い距離に照れて、俯いてしまう。
目の前の弥生ちゃんとシュンペーがどんな顔で私を見てるのか、すごく気になるけど、恥ずかしくて見る事ができない。
膝の上に置いた手を見ながらどうしようどうしよう思っていると、夏弥の手が重ねられた。
軽く握られたその手に驚いて夏弥を見ると、くすりと笑って頷いている。
「えっと……」
何をどう言えばいいんだろう。
きっと、弥生ちゃんもシュンペーも、気づいてるはずだし、と思って。
恐る恐る視線を前に向けると、大きくため息をついて、まさに『呆れてる』という顔をした二人がいた。
夏弥さんと私を交互に見遣りながら、何か言いたそうにしているけれど、結局何も言わずに呆れてるだけ。
「私、パスタランチ。ホットミルクティーで。夏弥さんは?」
「あー、花緒は何食べてるんだ?」
「私?和風パスタ。きのこがおいしいよ」
夏弥は私の食べかけのお皿を見ると、私が手にしていたフォークをすっと取った。
そして、私のパスタを一口食べると。
「うまいな。じゃ、俺もこれにする。ホットコーヒーで」
手にしていた私のフォークをお皿の上に置くと、私の耳元に口を寄せて
「花緒の作るパスタの方がうまいな」
にやりと笑ってそう言った。
「あ、……そんなこと、ないけど……ありがとう」
夏弥が囁く言葉の甘さと、あまりにも近い距離に照れて、俯いてしまう。
目の前の弥生ちゃんとシュンペーがどんな顔で私を見てるのか、すごく気になるけど、恥ずかしくて見る事ができない。
膝の上に置いた手を見ながらどうしようどうしよう思っていると、夏弥の手が重ねられた。
軽く握られたその手に驚いて夏弥を見ると、くすりと笑って頷いている。
「えっと……」
何をどう言えばいいんだろう。
きっと、弥生ちゃんもシュンペーも、気づいてるはずだし、と思って。
恐る恐る視線を前に向けると、大きくため息をついて、まさに『呆れてる』という顔をした二人がいた。
夏弥さんと私を交互に見遣りながら、何か言いたそうにしているけれど、結局何も言わずに呆れてるだけ。