週末の薬指
「瀬尾さんがここまで女の子が喜ぶ言葉を言うなんて、本当いいもの見せてもらったわ。
スマホで撮って、蓮に送ってあげたいくらいだわ」
「は?あいつにはこれ以上冷やかされたくないからやめてくれ」
「ふふふ。どうしようかしら。とりあえず、今日婚約指輪を選びに二人で来たことは話さないとね。
あ、ちゃんと言っておくわよ。とっても綺麗な女性だったって」
からかうような声に視線を上げると、夏弥ではなく私を見て穏やかに笑っている視線と絡んだ。
少し首を傾げて私を見ている表情は優しくて、どこかほっとする。
男性全てが一目見て好きだというような、目を引く綺麗な雰囲気ではないけれど、しばらく一緒にいればその温かい様子に惹かれるタイプの人だ。
控え目に施されている化粧が似合っていて、隣にいると自分も優しい気持ちになれる。
「ごめんなさいね。突然ここに連れてこられたみたいで驚いてるのね。
私は、瀬尾さんの幼馴染の奥さんなの。夫は蓮っていうんだけど、瀬尾さんとは悪友っていうか離れがたい親友よね?」
「いや、悪友だ」
「あら。ま、そういう事にしておいてもいいけど。私は庄田 希未って言います。きっと、長いお付き合いになると思うからよろしくお願いしますね」
希未さんという彼女は、にっこり笑ってくれた。夏弥の親友の奥さん。だから親しげに見えるのか。
夏弥がこのお店を選んだのも、彼女がここで働いているからなんだろう。二人の間にある優しい空気を感じると、希未さんの旦那様の蓮さんにも会ってみたいなと思う。
『悪友』だという人、どんな人なんだろう。夏弥の友達だから、同じように強引に攻める人なのかな。
スマホで撮って、蓮に送ってあげたいくらいだわ」
「は?あいつにはこれ以上冷やかされたくないからやめてくれ」
「ふふふ。どうしようかしら。とりあえず、今日婚約指輪を選びに二人で来たことは話さないとね。
あ、ちゃんと言っておくわよ。とっても綺麗な女性だったって」
からかうような声に視線を上げると、夏弥ではなく私を見て穏やかに笑っている視線と絡んだ。
少し首を傾げて私を見ている表情は優しくて、どこかほっとする。
男性全てが一目見て好きだというような、目を引く綺麗な雰囲気ではないけれど、しばらく一緒にいればその温かい様子に惹かれるタイプの人だ。
控え目に施されている化粧が似合っていて、隣にいると自分も優しい気持ちになれる。
「ごめんなさいね。突然ここに連れてこられたみたいで驚いてるのね。
私は、瀬尾さんの幼馴染の奥さんなの。夫は蓮っていうんだけど、瀬尾さんとは悪友っていうか離れがたい親友よね?」
「いや、悪友だ」
「あら。ま、そういう事にしておいてもいいけど。私は庄田 希未って言います。きっと、長いお付き合いになると思うからよろしくお願いしますね」
希未さんという彼女は、にっこり笑ってくれた。夏弥の親友の奥さん。だから親しげに見えるのか。
夏弥がこのお店を選んだのも、彼女がここで働いているからなんだろう。二人の間にある優しい空気を感じると、希未さんの旦那様の蓮さんにも会ってみたいなと思う。
『悪友』だという人、どんな人なんだろう。夏弥の友達だから、同じように強引に攻める人なのかな。