週末の薬指
深夜、『泊まっていけば?』というおばあちゃんの言葉に頷く事なく、蓮さんはタクシーに乗って帰っていった。
希未さんに電話を入れて『遅くなるけど、起きて待ってて』と優しく呟いている姿を見たけれど、私に対する態度とはまるで別人で驚いた。
とがった雰囲気なんかまるでなくて、何もかもを許している、そして愛している気持ちを隠そうともしない様子は、なんだか夏弥に似ているかも。
私に対する夏弥の態度や、言葉の甘さ、そして熱い温度は、希未さんに対する蓮
さんのそれと一緒で笑える。
どこまでこの二人は仲がいいんだろうかと、少し羨ましかったりもした。
そんな思いを抱えながら後片付けをしていると、今晩我が家に泊まっていくことになった夏弥がお風呂から出てきた。
「ビール、飲む?」
「ああ、もらう。花緒は一緒に飲まないのか?」
「うーん。じゃ、ちょっとだけね」
冷蔵庫から缶ビールを取り出してコップと一緒に夏弥の目の前に置くと、そのまま私の手は夏弥に引っ張られて、気づけば夏弥の膝の上に横座りになっていた。
希未さんに電話を入れて『遅くなるけど、起きて待ってて』と優しく呟いている姿を見たけれど、私に対する態度とはまるで別人で驚いた。
とがった雰囲気なんかまるでなくて、何もかもを許している、そして愛している気持ちを隠そうともしない様子は、なんだか夏弥に似ているかも。
私に対する夏弥の態度や、言葉の甘さ、そして熱い温度は、希未さんに対する蓮
さんのそれと一緒で笑える。
どこまでこの二人は仲がいいんだろうかと、少し羨ましかったりもした。
そんな思いを抱えながら後片付けをしていると、今晩我が家に泊まっていくことになった夏弥がお風呂から出てきた。
「ビール、飲む?」
「ああ、もらう。花緒は一緒に飲まないのか?」
「うーん。じゃ、ちょっとだけね」
冷蔵庫から缶ビールを取り出してコップと一緒に夏弥の目の前に置くと、そのまま私の手は夏弥に引っ張られて、気づけば夏弥の膝の上に横座りになっていた。