週末の薬指
始業してすぐの休憩室には、予想通り誰もいなかった。
私だってこの時間にここに来るなんて事滅多にない。
ふうっと小さく息を吐いて、部屋の片隅に置かれているソファに腰かけた。
携帯で夏弥の名前を呼び出して、『えいっ』っと心で弾みをつけたあと発信した。
3度目のコール音が終わったと同時に夏弥の声が聞こえて、一気に緊張した私。思わず言葉も詰まってしまう。
『花緒?どうした?今会社じゃないのか』
ほんの1時間ほど前に別れたばかりの私からの電話に少し驚いているような夏弥の声が、耳に心地よく響く。
どこか心配げな声に申し訳なく感じた。
「うん、会社なんだけど、ちょっと相談があって」
『ん?相談って何だ?いつから一緒に住むとかならいつでもいいぞ、もちろん今晩からでも。
それとも新婚旅行はどこに行くかっていう相談か?国内でも海外でも、俺は花緒がいればどこでもいいから花緒の好きにしてくれ』
「……」
私だってこの時間にここに来るなんて事滅多にない。
ふうっと小さく息を吐いて、部屋の片隅に置かれているソファに腰かけた。
携帯で夏弥の名前を呼び出して、『えいっ』っと心で弾みをつけたあと発信した。
3度目のコール音が終わったと同時に夏弥の声が聞こえて、一気に緊張した私。思わず言葉も詰まってしまう。
『花緒?どうした?今会社じゃないのか』
ほんの1時間ほど前に別れたばかりの私からの電話に少し驚いているような夏弥の声が、耳に心地よく響く。
どこか心配げな声に申し訳なく感じた。
「うん、会社なんだけど、ちょっと相談があって」
『ん?相談って何だ?いつから一緒に住むとかならいつでもいいぞ、もちろん今晩からでも。
それとも新婚旅行はどこに行くかっていう相談か?国内でも海外でも、俺は花緒がいればどこでもいいから花緒の好きにしてくれ』
「……」