週末の薬指
思わず黙り込んでしまうくらいに予想外の甘い言葉が耳元で溶けていく。
夏弥って、こんなにも私に優しすぎて甘やかせてくれる男だったのか、なんて改めて実感した。
夏弥の気持ちの重さには慣れたつもりでいたけれど、照れて顔を覆ってしまいたくなるくらいに私に一生懸命なところ、軽く考えてたかも。
今も、冗談で言ってるってわかっていても……慣れてなくてどきどきする。
『おーい、花緒?どうした?』
ぼんやりとしている私に夏弥の声が届いてはっとした。
そうだ、早く今晩の事を聞かなくちゃ。
「あ、ごめんなさい。あのね、今晩なんだけど、何も予定がなければ一緒に行って欲しい所があるんだけど」
『今晩?あー、何時からだ?』
「えっと、19時にうちの会社の近くのAホテルなんだけど……忙しい?」
『いや、今日は仕事休みだから忙しくはないんだけど、……ちょっと遅れていいなら大丈夫だ』
「そっか、無理しなくても大丈夫。ちょっとした会社の食事会だから一緒にどうかなと思っただけで」
何か予定があるのか、考え込みながらの夏弥の返事が気になって、慌ててそう言った。
『無理じゃないし、無理でも行くから。で、会社関係のイベント?何かあるのか?』
「うん、その。社長賞を祝う食事会っていうか、立食パーティーみたいなものなんだけど。
家族を同伴してもいいって聞いたから夏弥も一緒に来て欲しいなって思って」
『社長賞?』
「うん。私が参加したプロジェクトが社長賞をもらうことになったからそのお祝いなの」
『凄いな。社長賞なんて、俺でもまだ二度しかもらってないぞ。って言っても会社が違うし価値も違うな。花緒みたいな研究職がもらう社長賞なんてかなりの功績だろ?』
驚きと嬉しさを隠さない夏弥の言葉に照れてしまうけれど、これまで二度も社長賞をもらっているなんてさらっという夏弥の方がすごい。
仕事ぶりを直に見たことはないけれど、感じていた通り仕事はできる人なんだ。
何に対しても厳しい目線のおばあちゃんでさえ信頼している夏弥だから、やっぱりって納得。
夏弥って、こんなにも私に優しすぎて甘やかせてくれる男だったのか、なんて改めて実感した。
夏弥の気持ちの重さには慣れたつもりでいたけれど、照れて顔を覆ってしまいたくなるくらいに私に一生懸命なところ、軽く考えてたかも。
今も、冗談で言ってるってわかっていても……慣れてなくてどきどきする。
『おーい、花緒?どうした?』
ぼんやりとしている私に夏弥の声が届いてはっとした。
そうだ、早く今晩の事を聞かなくちゃ。
「あ、ごめんなさい。あのね、今晩なんだけど、何も予定がなければ一緒に行って欲しい所があるんだけど」
『今晩?あー、何時からだ?』
「えっと、19時にうちの会社の近くのAホテルなんだけど……忙しい?」
『いや、今日は仕事休みだから忙しくはないんだけど、……ちょっと遅れていいなら大丈夫だ』
「そっか、無理しなくても大丈夫。ちょっとした会社の食事会だから一緒にどうかなと思っただけで」
何か予定があるのか、考え込みながらの夏弥の返事が気になって、慌ててそう言った。
『無理じゃないし、無理でも行くから。で、会社関係のイベント?何かあるのか?』
「うん、その。社長賞を祝う食事会っていうか、立食パーティーみたいなものなんだけど。
家族を同伴してもいいって聞いたから夏弥も一緒に来て欲しいなって思って」
『社長賞?』
「うん。私が参加したプロジェクトが社長賞をもらうことになったからそのお祝いなの」
『凄いな。社長賞なんて、俺でもまだ二度しかもらってないぞ。って言っても会社が違うし価値も違うな。花緒みたいな研究職がもらう社長賞なんてかなりの功績だろ?』
驚きと嬉しさを隠さない夏弥の言葉に照れてしまうけれど、これまで二度も社長賞をもらっているなんてさらっという夏弥の方がすごい。
仕事ぶりを直に見たことはないけれど、感じていた通り仕事はできる人なんだ。
何に対しても厳しい目線のおばあちゃんでさえ信頼している夏弥だから、やっぱりって納得。