週末の薬指
大きく深呼吸をして気持ちを切り替えて休憩室を出ると。
少し離れた柱の影に同じ部署のみちるちゃんが見えた。
携帯を耳に当てて小さな声で話している。
みちるちゃんの横を通らなければ席に戻れないと気づいて一瞬困ったけれど。
これ以上席を空けられない。
何も見ない聞かないふりで急いでその横を通り過ぎた。
ちょうどみちるちゃんの横を通り過ぎる時、聞くともなしに耳に入ってきた言葉に気持ちは降下の一途。
「悠介さんの婚約者としてパーティーに行ってもいいんですか?」
明るく弾んだその声は、上のフロアにいる悠介に届いているんだとすぐわかる。
そうか、そうだよね、みちるちゃんも来るよね、来たいよね……。
悠介にとっても社長賞を貰うなんてかなりの名誉だし、そりゃみちるちゃんにも見せたいよね。
「夏弥、早く来て欲しいな」
足早にその場を通り過ぎながら、小さくため息をついた。
少し離れた柱の影に同じ部署のみちるちゃんが見えた。
携帯を耳に当てて小さな声で話している。
みちるちゃんの横を通らなければ席に戻れないと気づいて一瞬困ったけれど。
これ以上席を空けられない。
何も見ない聞かないふりで急いでその横を通り過ぎた。
ちょうどみちるちゃんの横を通り過ぎる時、聞くともなしに耳に入ってきた言葉に気持ちは降下の一途。
「悠介さんの婚約者としてパーティーに行ってもいいんですか?」
明るく弾んだその声は、上のフロアにいる悠介に届いているんだとすぐわかる。
そうか、そうだよね、みちるちゃんも来るよね、来たいよね……。
悠介にとっても社長賞を貰うなんてかなりの名誉だし、そりゃみちるちゃんにも見せたいよね。
「夏弥、早く来て欲しいな」
足早にその場を通り過ぎながら、小さくため息をついた。