週末の薬指

きらきらと、まぶしい指輪の輝きは永遠。周囲の環境がどう変わろうと、誰の指に収まろうと、この輝きは変わる事がない。

ただひたすらに今のまま輝きを主張していく。

今、このダイヤの煌めきに魅せられて、夏弥への思いを強く確認して。

その思いを永遠に持ち続けられるように、そして、そのための努力を惜しまないように。教えてくれる輝き。

私への、そして夏弥への戒めがこの指輪なんだ、と思う。

指輪に誓うわけではないし、誓うとすれば、夏弥に対してだけど。

まず一番に考えないといけない事は明白だ。

「夏弥を一生大切にする。そして愛するために頑張る。努力する」

そんな気持ちをお互いに誓い合う輝きは、私の指にぴったりとはまっていて、実際の重さよりもずっと重く感じた。ほんの少し目の奥が熱くなった私の頭をぽんとたたいた夏弥は

「俺も、花緒を愛するために頑張るし、努力するよ」

これまでにない真摯な声で呟いた。

それを聞いた私は。触れ合う肌の熱さよりも、熱い気持ちが伝わって、体中が震えた。

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