週末の薬指
自分で言いながら、だんだん気持ちが高ぶる弥生ちゃんの様子を茫然と見ていると、何をどう答えていいのかわからなくなる。
悠介と別れた後に、私の知らないところでそんな展開。

「信じられない……」

ただでさえ、秘密にしている現実が、社内に出回っていると聞かされて。
立っていられなくなった私は、近くにあった椅子をひいて、倒れこむように座った。

心臓が、激しくうっている。その音しか聞こえなかった。
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