週末の薬指
小さな頃からその背中を見てきた私にはよくわかる。
頑固な背中を向けられると、何を聞いてもむだだとわかる。
夏弥さんの家にいても混乱して、おばあちゃんと一緒にいても混乱してしまうこの二日間が、私の気持ちをどんとよどませた。
思いがけない混沌とした、それでいて速い展開に顔をしかめたくなるけれど、それでもやっぱり。
夏弥さんのマンションに戻る事を考えると、自然と頬は緩むし心は弾んでしまうし丁寧に抱いてくれた夕べの熱が体によみがえってきて、どきどきもする。
私って、こんなにあっけない女だったんだな……。
いつの間にか夏弥さんに気持ちはからめ捕られて逃げられなくなったけど、それが何だか心地よくも感じて好きになったんだ、と改めて思う。
そんな気持ちを認めて、幸せに満ちる自分を感じながらも。それでも。
いつかは捨てられるのかなと、切なさにも包まれて、泣きそうにもなる……。
頑固な背中を向けられると、何を聞いてもむだだとわかる。
夏弥さんの家にいても混乱して、おばあちゃんと一緒にいても混乱してしまうこの二日間が、私の気持ちをどんとよどませた。
思いがけない混沌とした、それでいて速い展開に顔をしかめたくなるけれど、それでもやっぱり。
夏弥さんのマンションに戻る事を考えると、自然と頬は緩むし心は弾んでしまうし丁寧に抱いてくれた夕べの熱が体によみがえってきて、どきどきもする。
私って、こんなにあっけない女だったんだな……。
いつの間にか夏弥さんに気持ちはからめ捕られて逃げられなくなったけど、それが何だか心地よくも感じて好きになったんだ、と改めて思う。
そんな気持ちを認めて、幸せに満ちる自分を感じながらも。それでも。
いつかは捨てられるのかなと、切なさにも包まれて、泣きそうにもなる……。