しおり



ある日、樹とささいな事で大ゲンカをしてしまった。




樹は、小さな声で言った。




「もう、無理だ。少しだけ離れよう。―――ごめん、乃愛」




私は、とっさに言った。




「え!?待ってよ。樹!」





樹は、私の言葉を聞きもせず、くつを履いて外に出てしまう。
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