楽園に咲く花

「なんですか?ミリィ」


ミリィは呆れたようなゼロスの視線にも気づかず、手の中のものをゼロスに見せる。


「これ!」


「返してきなさい」


「えぇーーー」


ミリィは動物を拾ってくる癖がある。


捨てられていたり、怪我をしていたりする動物を見ると拾ってきてしまうのだ。


今回は見たこともないほど珍しい鳥の雛。


ゼロスの知識を持ってしてもわからないほど珍しい鳥の雛だ。


育てればやっかいなことになるのはわかりきっているので、飼う許可はできない。


だが、ミリィは涙を浮かべてゼロスを見つめる。


「でも一人ぼっちだったんだもん。この子」

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