楽園に咲く花
だから、拾って育てよう?
とミリィの目が訴えている。
自分も拾われた子だから、鳥の雛と自分とを重ねてしまっているのだろう。
「駄目です。貴女はそうやって拾った子たちの面倒をちゃんとに見ましたか?」
「うぅ・・・。」
最初は面倒を見ると言っていても、結局三日坊主。
ゼロスがため息と共に断るのも無理はない。
ミリィが世話をしなくなる度に、飼い主を探すのは他の誰でもないゼロスなのだ。
毎回毎回、苦労している。
「返してきなさい」
「お願い!お師匠様!!」
だが、ミリィも譲らない。
その緑色の目に涙を浮かべながらも、ゼロスに懇願してくる。
ゼロスの目が淡い紫色に光る。
「貴女が世話をほおりだしたら、その子を魔術の実験につかってもよいのなら」