終わらないエンドロール
麻里乃は制服を着たまま笑っていた。
背後のドアは開けっ放しで、制服は乱れている。
頬が紅潮して肩で息をしているので、走って帰ってきたのかもしれない。
麻里乃も自分に会うために急いで帰ってきたのだ、と舞子は嬉しくなって近付いた。
「麻里乃、テスト終わったよ」
「あたしも。お互いお疲れ様ね」
「数学頑張ったけど無理っぽい」
「あたしが教えたのに!?」
有り得ない、と唇を尖らせる麻里乃に舞子はごめん、と笑った。
麻里乃は仕方ないわね、という風に微笑んだ。