ゼロの行方
太陽系外辺部…。
ハイパードライブ空間を抜けて宇宙戦艦ZENが姿を現した。通常空間に抜けた際の振動が収まっていき、代わりにインパルスエンジンの心地よう振動が館内に伝わっていく。
エンジンルームの技師から両エンジンに異常のないことの報告を受けたカロンは後部のシートに埋まっているニクス大使に振り返った。
「大使、ソル生計の外辺部に到達しました。一時間後に最後のハイパードライブを行い度声域に到達の予定です」
それを訊いたニクスは組んでいた手をほどき疑問の表情でカロンを見た。
「艦長、通常ソル星系での最終ハイパースペースは火星ー木星間の亜ステロイドベルトの手前ではなかったかな?」
通常太陽系(ソル星系)ではハイパードライブ航法はアステロイドベルトまでと取り決められていた。これはアステロイドベルト農地側の内惑星系では宇宙船の量が多くハイパードライブ中の事故の発生率が高いためだった。
「今回地球連邦からの要請で最終ハイパードライブの到達点は土星圏内とされています」
カロンは手元の端末を見て答えた。
「その理由は聞いたかね?」
「何でもアステロイドベルトの付近と木星圏で艦隊の演習があるそうですよ」
二人の会話を訊いていた操舵手のリベルテが言った。
「それではまだ少し時間があるね」
ニクスはそう言うと自分の端末を手元に寄せてニュースに目を通し始めた。
ブリッジは平常時の静けさに包まれている。その中でクルー達は自らの任務を黙々とこなしていた。
「艦長、広報から大型艦が本艦に接近してきます」
不意にコンピューターの声が静寂を破る
「所属は解るか?」
「連邦軍の所属のようです」
「確証がないのか?」
「データーベースに無い型なので新造艦と思われます」
コンピューターが答えた。
「スクリーンに」
カロンの合図とともにブリッジのメインスクリーンはZENの後方を映し出した。
最初、その空間には何も映っていないように見えた。だが暫くするとその巨大な船影が誰の目にも映り始めた。
「艦長、後方の宇宙船から通信が入っています」
通信士のクラージュがヘッドセットの神経を集中させながら告げた。
「スクリーンに映せ」
カロンの指示に対してクラージュは怪訝そうな表情を見せた。
「それが…、音声のみなんです」
クラージュはスピーカーに後方の宇宙船からのメッセージを切り替えた。
「前方の宇宙船に告げる。本船は惑星連邦所属のネイト。本船はハイパードライブに移行する。進路の変更を養成する。繰り返す…」
後方の宇宙船からの声は妙に機械じみた雰囲気があったが、カロンはその養成を飲みZENの進路を変更した。
ハイパードライブ空間を抜けて宇宙戦艦ZENが姿を現した。通常空間に抜けた際の振動が収まっていき、代わりにインパルスエンジンの心地よう振動が館内に伝わっていく。
エンジンルームの技師から両エンジンに異常のないことの報告を受けたカロンは後部のシートに埋まっているニクス大使に振り返った。
「大使、ソル生計の外辺部に到達しました。一時間後に最後のハイパードライブを行い度声域に到達の予定です」
それを訊いたニクスは組んでいた手をほどき疑問の表情でカロンを見た。
「艦長、通常ソル星系での最終ハイパースペースは火星ー木星間の亜ステロイドベルトの手前ではなかったかな?」
通常太陽系(ソル星系)ではハイパードライブ航法はアステロイドベルトまでと取り決められていた。これはアステロイドベルト農地側の内惑星系では宇宙船の量が多くハイパードライブ中の事故の発生率が高いためだった。
「今回地球連邦からの要請で最終ハイパードライブの到達点は土星圏内とされています」
カロンは手元の端末を見て答えた。
「その理由は聞いたかね?」
「何でもアステロイドベルトの付近と木星圏で艦隊の演習があるそうですよ」
二人の会話を訊いていた操舵手のリベルテが言った。
「それではまだ少し時間があるね」
ニクスはそう言うと自分の端末を手元に寄せてニュースに目を通し始めた。
ブリッジは平常時の静けさに包まれている。その中でクルー達は自らの任務を黙々とこなしていた。
「艦長、広報から大型艦が本艦に接近してきます」
不意にコンピューターの声が静寂を破る
「所属は解るか?」
「連邦軍の所属のようです」
「確証がないのか?」
「データーベースに無い型なので新造艦と思われます」
コンピューターが答えた。
「スクリーンに」
カロンの合図とともにブリッジのメインスクリーンはZENの後方を映し出した。
最初、その空間には何も映っていないように見えた。だが暫くするとその巨大な船影が誰の目にも映り始めた。
「艦長、後方の宇宙船から通信が入っています」
通信士のクラージュがヘッドセットの神経を集中させながら告げた。
「スクリーンに映せ」
カロンの指示に対してクラージュは怪訝そうな表情を見せた。
「それが…、音声のみなんです」
クラージュはスピーカーに後方の宇宙船からのメッセージを切り替えた。
「前方の宇宙船に告げる。本船は惑星連邦所属のネイト。本船はハイパードライブに移行する。進路の変更を養成する。繰り返す…」
後方の宇宙船からの声は妙に機械じみた雰囲気があったが、カロンはその養成を飲みZENの進路を変更した。