ゼロの行方
スターシップ『タイタン』はインパルスエンジンの最大出力で『レアⅡ』に向かっている。既に船内では副長のジョナサンを中心として五台の医療ロボットによる医療チームが編制され、大型シャトル『アトラス』で待機していた。
医療用ロボットは全て女性の姿をしたヒューマノイドであった。これは患者と成る人間に対して不必要な恐怖心を持たせないためである。『タイタン』には全部で十代の医療用ロボットが配備されており、これらは『タイタン』のマザーコンピューター及び配属された医師チームに管理されていた。今回の派遣に関しては医療チームが副長であるジョナサンにその権限を委譲した形を取っている。そのため、シャトルにいる五台の医療用ロボットはジョナサンの指揮下に入ることとなる。 インパルスエンジンで航行していた『タイタン』は、およそ三〇分ほどで『レアⅡ』に接近した。すかさず『レアⅡ』内部のスキャンが始まる。
「基地の外壁に破損箇所はありません。動力は正常稼働、生命維持装置にも問題はありません。ですが、生命反応は微弱です。」
マッコイがスキャンの状況を逐一報告する。それによるとあまり時間は残されてはいないようだ。
「『アトラス』これより『レアⅡ』に向かいます」
ブリッジにシャトルからの連絡が入る。
『アトラス』は軽い振動を残して星の海に乗り出した。
医療用ロボットは全て女性の姿をしたヒューマノイドであった。これは患者と成る人間に対して不必要な恐怖心を持たせないためである。『タイタン』には全部で十代の医療用ロボットが配備されており、これらは『タイタン』のマザーコンピューター及び配属された医師チームに管理されていた。今回の派遣に関しては医療チームが副長であるジョナサンにその権限を委譲した形を取っている。そのため、シャトルにいる五台の医療用ロボットはジョナサンの指揮下に入ることとなる。 インパルスエンジンで航行していた『タイタン』は、およそ三〇分ほどで『レアⅡ』に接近した。すかさず『レアⅡ』内部のスキャンが始まる。
「基地の外壁に破損箇所はありません。動力は正常稼働、生命維持装置にも問題はありません。ですが、生命反応は微弱です。」
マッコイがスキャンの状況を逐一報告する。それによるとあまり時間は残されてはいないようだ。
「『アトラス』これより『レアⅡ』に向かいます」
ブリッジにシャトルからの連絡が入る。
『アトラス』は軽い振動を残して星の海に乗り出した。