なみだ涙ナミダ
第一章
ぼくボク
私、高杉恵[タカスギメグミ]は坂ノ野高校1のA教室にて、喜びを噛み締めていた。
「あの...、高杉さんっ!国語のノート回収したいから、あの...」
あぁ、クラスの子が私に話しかけてくれてたっ!
いつぶりだろうか。これは失敗のないように、慎重に答えねば。
「あの、高杉さん」
「何よ、何回も呼ばなくても聞こえてるわよ。ノート集めなんて雑用よく出来るわね?」
「ごっ、ごめんなさ、い!」
ノートを私の手から抜き取ると涙目で去っていった。
あ、また出てしまった。
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