なみだ涙ナミダ
「嫌よ。なんでアンタなんかに...」
あげるもんですか、と続ける予定だったが、言えなかった。
いや、正確に言えば驚いて声が出なかったのだ。
先ほどアイスが垂れた左手の手首を鈴木に掴まれ、それと同時にざらっとした感触が手を触った。
「なっ...!?」
鈴木をガン見すると、視線に気づいたのか私を見ると唇を突き出した。
「だって高杉がくれないんだもんっ」
きゅんっ。
「って、何がきゅんっ、だよ!もう意味わかんないしっ!鈴木なんてここの最上階から落ちろ!」
「いや、ちょっと待て。関係ない苛立ちから俺に矛先変えんなっ」
だってあなたのせいですし。