なみだ涙ナミダ




「改めまして、私、加藤愛!愛って呼んでね」

「あたしは中松桜。呼び方は桜でっ」

丁寧に自己紹介してもらい私もそれに続いて自己紹介した。

「私は高杉恵、えっと、酷いこと口走っちゃう時があるけど悪意はない、です」


人生で1番いい自己紹介だったかもしれない。

少し自己満足。

「じゃあ、あだ名はメグミンで!」

キラキラ笑顔で愛ちゃんに言われ、はい、としか言えなかった。


初めての友だち。

これからを考えると胸が弾んだ。





京都についた頃、私たちは結構絆が深まっていた。

初日は集団行動でお寺を回った。その時も愛ちゃんと桜ちゃんと一緒。

宿舎に戻り、内装の話をざっとされ今日はお風呂と夕食で終わる。


お風呂、といっても広い露天風呂なのだが、綺麗だった。

私はお風呂から出て、一緒にいた桜ちゃんに少しここで休む、と言い先に部屋に帰ってもらう。

私はお風呂の入り口前にある自販機の横にあるベンチに腰をかけた。

なぜかと言えば、今日、一回も鈴木と会っていないからだ。

いや、別に会いたいとかじゃないから。少しバカ面が見たくなっただけだから。

今は1-Bが入浴中で、ここにいれば鈴木に会えるわけですよ。

その少しの間私は、疲れた目を休めさせようと目を閉じた。



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