なみだ涙ナミダ




すると起きたのかメガネをズラし目をこする。

「す、ずき?」

起きたばかりだからか呂律がちゃんと回っていない。

「うん、そうだよ。お前なんでこんなとこいんだよ、風邪ひくぞ?」

そう言って暑くて手に持っていた薄手のパーカーを高杉の肩にかけた。

「んーと...えと、わたし、今日、すずきにあってないなーって思って、待ってたのー」

えへへ、と可愛らしく笑うメガネをかけた高杉が普段見たことのない可愛い部分を晒した。

その笑顔に周りの男共は心を射抜かれた。

少しすると脳みそが起き出したのか、今言った言葉と現状を把握し、高杉が顔を赤くした。

「ばっ、バッカじゃないの!?会いたいとかそんなんで待ってたんじゃないんだからね!?てゆーか、アンタなんかと顔も合わせるのもゴメンだしっ、とりあえずいっぺんお風呂で溺れて死ね!」


弾丸コメントを残し逃げた。

そしていつもながら、最後には死ねと言われる僕、超可哀想。

「今の我儘姫様キャラが違った!」

「我儘っつか、よく言えばツンデレ?」

「姫様って見た目学校で1番美人で可愛いし、今のデレっぽいとこだけ出してれば最強じゃね!?」

「メガネめっちゃ似合ってるし!」


高杉が去った今でも話題は高杉で持ちきりだった。


高杉は、俺だけにデレてればいいんだよ。

あんな可愛い顔、他の野郎の前でみせんなよ。

なんて、思っていたのは内緒だ。



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