なみだ涙ナミダ
これで暫く現実逃避が出来る。
本当は高校に入ったら、新しい自分に生まれ変わったつもりで悪い癖を直そうとして、見た目だってメガネだったのをコンタクトにしたり、髪型をポニーテールにしたりしてイメチェンさせたのに、性格は無理でした。
キーンコーン、と授業開始の鐘がなった。
私は自分で言っちゃ何だが、容量が良く結構勉強が出来る。
こう見えても、ノートなんかは丁寧に見やすく書いている。
外からわーっ、と楽しげな声が聞こえた。
私は窓側の一番後ろという素敵な場所を陣取っていて、他クラスの体育をバッチリ観察できる。
B組か、と思いながらサッカーの試合を見ていると一際輝く人がいた。
すずき、じゅんじ。
みんなの人気者。
噂を聞けば、子供っぽく愛嬌があるらしい。顔はガッツリ、爽やかイケメンなのに。
人を見た目で判断しちゃダメだってことだな。