なみだ涙ナミダ
怖い
怖くない
怖い
怖くない
大丈夫、大丈夫と呪文のように自分に言い聞かせるけど、足が震えて動かない。
動けない私に気付かず鈴木はどんどん進む。
やだ、やだよ鈴木。
おいていかないでよ。
怖くて怖くて、涙がポロポロと出てきて泣くことしかできなかった。
私は体育座りをして俯いた。
顔を誰にも見られないように。
何も聞こえないように。
自分にフタをした。
すると私の頭を誰かが持ち上げた。
「やっぱり、泣くくらい怖いんじゃんか」
あぁ、鈴木だ。
鈴木が帰ってきてくれた。
「すずきぃ...」
「よしよし、ごめんな」
鈴木が私の頭を撫でるから、私の涙腺は壊れちゃって、どうしようもなくて。
「すずきがねっ、どんどん先行っちゃって、わたし、一人で、こわくてっ...わたし、ぐずっ、すずき居なきゃやだぁぁあ」
すずき
すずき
スズキ
鈴木。
「うん、ごめんな。どうしたら泣き止む?」
抱きしめられて、胸が高鳴って、心拍が速くなる。
「しるかバカァ!」
それを言うくらいしかできなかった。