なみだ涙ナミダ
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何テンパってんだよ俺っ!
肝試しでペアが運がいいのか悪いのか高杉となって、さっきのこと思い出すって。
高杉の髪の毛は少し濡れてて、露天風呂のことがさらに頭から離れなくなる。
だが、そんな俺の気持ちなんてしらない高杉はいつものようにツン全開で俺に突っかかってくる。
うん、確かに制服とは違って私服だと胸が大きいのが良くわかる。
って、こんな時にバカか俺は!
そんな1人自分にツッコミをいれていたら、先生にろうそくを持たされ、後ろ詰まってるから早く行け、と急かされた。
上空にて怪しく鳴くカラスが肝試しを良い方向に演出されていて、俺的にワクワクしていた。
だが、それにすごく怖がってる奴が若干一名。
「何?お前怖いの?」
ニヤリ、と笑いながら言ってやった。
いつも強気な姫様の弱味を俺は握った。
だが、我儘姫様はやはり、俺の言葉を否定した。
「は!?こっ、怖いものなんて私にはないものっ」
俺はふーん、と一言言って歩き始めた。
流石に素直になれよ、と思い、俺は高杉を無視して歩いた。
少しして後ろを向いたらそこには誰もいなかった。
だから、少し来た道を戻ってみた。するといつぞやの高杉とカブる体育座りで俯いていた。
俺は上から高杉の頭を掴み、無理やり顔をこちらに向けた。
やはり、あの時と同じで高杉はポロポロと泣いていた。