なみだ涙ナミダ
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私を撫でる鈴木の手が暖かくて、あんなに怖かったのに今は全く怖くない。
とくん、とくん。
私の心臓が速く脈を打つ。
これじゃ、私が、鈴木を好きみたいな...。
んなバカな。
「なぁ、高杉」
不意に頭上から鈴木の声が聞こえ、静まりかけた心臓は経た再び高鳴った。
「明日の自由行動、一緒に回ろうよ」
そんなこと。
断る理由が私にはなくて
「まぁ、どうしてもっていうなら」
あぁ、また可愛くない言い方。
本当はこの修学旅行で、あまり喋れてなくて悲しかったくせに。
「決まりっ!とりあえず、肝試しクリアしちゃいますかっ」
二カッ、と子供のような笑顔を私に向けた。
きゅんっ。
「...ガキ」
ぽそり、と悪口。
うん、いつもの私が帰って来た。
鈴木が私の手を握ってくれてるから、もう怖くないよ。
私たちは既に神社の近くにいたようで、すぐに神社についた。『鈴木・高杉』と寄り添うように書き、無事にゴール地点に着いた。