なみだ涙ナミダ
鈴木がゴールを決め、同じチームの人たちと喜びを分け合っている。
私にはないものを彼は持っていた。
彼を光の住人と呼ぶならば、私はひっそりと暮らす闇の住人だ。
私と彼が知り合うなんてありえない。
こうして窓を覗く今の私はそう思っていた。
光と闇が合わさるときは、そう遠くなかったのだ。
それから一週間経つ今。
「あ、高杉!のッさんボーイの新曲聞いたか?」
「は?当たり前じゃない、私がのッさんの新曲逃すはずないわ」
「さっすがのッさんオタク!」
「おたっ...、鈴木だってそうでしょ!?いちいち癇に障る言い方しないでっ」
「そらぁ、わるぅございましたぁ」
こんな馬鹿げた会話が日常と化している。