二人の距離。
「ちょっと〜、遅れるよ〜?早く早く〜!!」
加奈子ちゃんが、急いでというように手招きする。
「はいはい、今行きますから〜。行こ……紗枝!!」
「うんっ!!」
呼び捨てで呼んでくれて、思わず顔が緩む。
…この高校に来てよかったのかも、と思えた。
「あれ?紗枝?どうかしたの?」
「ううん、急がないとね!!」
二人の隣まで走って微笑むと、二人共微笑み返してくれた。
あたしは歩きながら思った。
楽しくなる、きっと。