二人の距離。



「ちょっと〜、遅れるよ〜?早く早く〜!!」


加奈子ちゃんが、急いでというように手招きする。


「はいはい、今行きますから〜。行こ……紗枝!!」

「うんっ!!」


呼び捨てで呼んでくれて、思わず顔が緩む。

…この高校に来てよかったのかも、と思えた。


「あれ?紗枝?どうかしたの?」

「ううん、急がないとね!!」


二人の隣まで走って微笑むと、二人共微笑み返してくれた。


あたしは歩きながら思った。

楽しくなる、きっと。



< 13 / 45 >

この作品をシェア

pagetop