二人の距離。
体育館の中は中学とはまるで違い、コンサート会場のように広かった。
「はいは〜い、一年B組の人は呼ばれたら順番に椅子に座って〜!!」
担任の先生と思われる女の人が、広い体育館に負けないように声を張り上げて指示を出している。
加奈子ちゃんは、相沢だからすぐに呼ばれて、もう周りの人と仲良くお喋りをしていた。
「なぁ、あの子可愛くね?」
「俺は右の方が好みだな〜。」
そんな会話をしている男二人組は、こっちをちらちら見てニヤニヤしている。
これだから男子は嫌…と小さく溜息をつく。
「ん?どうかしたの?」
「ううん、何でもない。」
「そう?」
美佐は小さく首を傾げたけど、それ以上は聞かず名前を呼ばれた席に着いた。
あたしもつられるように隣に座った。