二人の距離。
「そういえば、新入生代表は橘って人が読むんだってね〜。」
「へぇ、そうなんだ。でも、美佐がそれ知ってるって…。」
男子には興味なさそうなのに、そういう情報を知っているのに驚いた。
でも、それはすぐに否定された。
「違う違う、あの人が成績トップだからそうなんだろうなってこと。橘なんて興味ないよ。」
「そっか。」
その後、しばらく話をしていると放送が体育館に鳴り響いた。
『二、三年生は体育館に移動し、新入生はその場に静かに座っていなさい。』
その放送が入ると、騒がしかったお喋りが静かにひそひそ声に変わった。
きっとみんな、緊張しているんだろう。
そして、数分後に全校生徒が集まり入学式が始まった。