二人の距離。
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一年B組、と書かれたドアを開けると黒板には座席表が貼られてあった。
「あ、やっぱり私と紗枝前と後ろだね。」
「本当だ〜、よかった…。」
ホッと溜息をつくと、隣にいた加奈子ちゃんがぶーっと頬を膨らませる。
「なーんか、めっちゃ仲良くなってない?出席番号が隣だからって、ずる〜い。」
「加奈子だって、近くの子と仲良くなってたじゃん。」
そう美佐が言うと、さらに加奈子ちゃんは頬を膨らませる。
「それとこれとは話が別じゃん!!」
「あぁ〜、もう!!そんな心配しなくていーから、ね?」
二人共、可愛いなぁ…。
和やかに見ていると、女の先生が教室に入って来た。
「はい、確認して座席座って〜!!そこ三人も、早く!!」
慌ただしく席を確認して、美佐ちゃんの後ろに座った。