二人の距離。
「…違うって。宮内さん、男性恐怖症だから。ね?」
あたしは小さく頷いて席に座った。
さっきの男子は舌打ちをしながら、彼を睨んでいる。
「ちょ、ちょっと…。何か、空気悪いなぁ〜。楽しくいきましょ?
じゃっ、はい最後!!」
パンパンと先生が手を叩いて、苦笑いしながら次へ進む。
美佐がちらっと心配そうにこっちを見たから、軽く微笑んで大丈夫ということを知らせた。
…ってか、何で男性恐怖症のこと知ってるの……?
何で、それを言う必要があったの…橘くん……?
ちらっと彼を見ると目があってしまい、思いっきり逸らしてしまう。
…うわ、あたし感じ悪い……。
「俺が言うの、余計だった?」
「え?」